震災廃棄物の再資源化を目的に「ケイワ・ゼロエミプラントならは」開業。
NO.11
「粗破砕機プリマックス」
福島県楢葉 K社
5月9日 K社様が、福島県楢葉町に新設した廃棄物の中間処理・リサイクル施設『ケイワ・ゼロエミプラントならは』において、副町長をはじめ約70名が参列し竣工式が執り行われました。
この施設は、震災により出た廃棄物を1日でも早く無くし、福島の復興のお役に立ちたいという強い意志のもと、4年の歳月を掛け立ち上げた悲願のプラントです。
被災地から出た廃棄物を優先して受け入れ、破砕工程・選別工程を経て、土木資材(造粒石)を製造し、復興事業への資材として還元する事で、復興加速の後押しを目的としています。
同社の廃棄物中間処理場は、仙台、福島両市に次いで4カ所目の工場となり、約7300平方メートルの敷地に、鉄骨平屋、延べ床面積約3442平方メートルの施設を有し、1日当たり600トンを超える破砕処理と、140トンを超える造粒石製造が可能です。
総事業費は約17億円、廃棄物を原料とした土木資材製造工場として、復興事業に欠かせない路盤材や盛土材、堤防の嵩上げ材として再生利用する事ができます。
9年の歳月を掛け培ってきた独自の造粒技術(特許取得)で、再生利用が困難な土砂交じりの選別残渣を原料にした再生資材を作り出すことに成功し、土木資材に必要な強度と、厳しい安全基準をクリアした、高品質の造粒石のみが製品として出荷されます。
被災地から出た廃棄物を取り扱う上で、周囲への環境影響や、従業員の安心安全に配慮し、トラックスケールに併設して放射線量測定器を設置しています。搬入時には全ての原料を測定し、安全基準を満たしているか検査確認した上で受け入れを行います。
効率的な前破砕を可能に
リョーシンでは、造粒化前処理の破砕と選別の工程を担当し、導入頂きました。
搬入時サイズの大きい廃棄物は、まず粗破砕機へ投入され、サイズを均一化します。
ここで採用して頂いた「粗破砕機プリマックス」は、油圧駆動の2軸独立駆動式200馬力の装置で、選別の前処理に最適でした。引きちぎり、叩き割る、両方の機能を備えており、次工程の選別ラインで分けやすいサイズに破砕するだけでなく、選別が難しくなる細かすぎるサイズを作り過ぎない事で、選別ラインの精度向上も見込めます。また、土間選別の省力化や、営業範囲の拡大を見込んでいます。
この破砕機はメンテナンスが容易で、特にカッターは特殊鋼材を使用した摩耗に強い仕様のため、修理の際も取り外すことなく溶接肉盛り修理で対応することができ、ランニングコストを大きく抑えられる事も御採用の決め手となりました。
造粒原料化ライン
搬入時サイズの揃っている廃棄物や、粗破砕機によってサイズを均一化された物は、造粒原料化ラインへ投入されます。
造粒原料化ラインでは、混合廃棄物の中から造粒原料となる、がれき類・ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずを選別し、粉砕抽出する事が出来ます。
選別装置の主要部は、世界のトップメーカーの装置を組み込み、最新の技術で精度よく選別する事が出来ます。
原料の粉砕抽出工程では、粉砕機・選別装置・手選別を含んだリターンラインを採用し、より選別精度を高めると同時に、原料の回収率を高める事で、ゼロエミッションを目指します。
落成式典では、副町長をはじめ約70名が参列し、代表取締役からは、地域の方々の復興に対する願いを受け、自社でも震災により生じた廃棄物のリサイクルを通し、地域復興の一助となりたいという強い思いを、周囲の積極的な協力と後押しによって実現できた悲願のプラントである事をお話しになりました。
『念ずれば花開く』の詩の一節を挙げられ、『願えば一つ一つがつぼみとなり、魂を入れる事で花が開く、そうして形になってきたのが今の恵和興業の姿』
皆様の協力のもとで工場が完成し、花が半分開いた状態、満開に向かって社員一丸となり魂を込めて精進していく』と決意を述べられました。