LPG容器のメンテナンスやリサイクル事業で実績を持つ両元産業(愛知県常滑市、後藤元和社長、☎0569・35・6400)は、リサイクルプラントメーカーのリョーシン(富山市)から、TA-PO(オランダ)社製の磁性金属精選機の国内第1号機を導入した。総投資額は約4000万円。ウォーターサーバー処理工程で高純度な鉄を回収し、リサイクルの価値向上と効率化につなげていく。
ウォーターサーバー処理事業では、同社が持つ配送・運輸インフラを活用し、関東から中部、関西までの広域で、水販売業者や卸業者、メーカーなどから使用済みとなったサーバーを収集。解体してプラスチックや鉄、銅などの金属類等を部材ごとに分別し、再資源化する。使用済みサーバーの処理ニーズは年々増加しており、現在の処理量は月間2万2000台に上っている。
具体的な処理フローとしては、サーバーから残水を抜き、手解体で部品を取り外した上で、フロンガスを完全に回収。さらに、コンプレッサーや黒モーターなどを取り出し、残りの躯体を2軸破砕機とハンマークラッシャーで破砕する。その後、磁選機でミックスメタルを回収する流れだ。
今回導入した磁性金属精選機「TA-PO600」では、このミックスメタルを鉄とそれ以外に分ける。従来は手選別作業が必要だった工程を完全自動化にし、1時間当たり最大6トンまで処理可能となった。仕組みは、投入された対象物を振動で散らしながら、角度を付けたコンベアで素早く流し、強力なマグネットにより磁性体(鉄)だけをコンテナに落とすというシンプルな構造だ。消耗品が少なく、メンテナンス性に優れているため、故障リスクが低く、安定した稼働を見込む。
回収した鉄は、異物の混入率0.3%以下まで減らすことで、従来よりも高価格での鉄の売却が可能になる。一方のミックスメタルも銅の含有量が増えて、価値が上がるという。
同社の後藤社長は、「LPG容器の関連事業を通し、ガス業界での産廃処理やリサイクルにもさらに貢献していく考えだ。新たな選別機の導入で、高品質な鉄資源を取り出せるようになった。効率的なリサイクルを行うことで、顧客に利益を還元したい。また、ウォーターサーバー以外の処理物でもさまざまな可能性を模索していく」と話した。
(※循環経済新聞2023年号より抜粋)
↑選別した高純度の鉄
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【リョーシンの使命】
私達リョーシンは、人材不足がリサイクル業界の最大リスクと考え、
人手を掛けずに大量選別できるプラントを提案することで、
お客様と一緒に問題解決に取り組みます。
国内・海外を問わず様々な破砕機・選別機メーカーとパートナーシップを組み、
それらの機器を組み合わせ、お客様のニーズに合わせた
最適なリサイクルシステムを構築します。
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