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2024.1.18

世界の技術を知るNo.2|「Environmental and Waste Management Expo 2023」inタイ・バンコクの様子をご紹介

コラム

リョーシンは2023年10月にバンコクで開催された「Environmental and Waste Management Expo 2023」に出展しました。海外の展示会に出展するのは、リョーシンにとって、初めての試みでしたが、タイにおける環境活動や廃棄物の現状を知ることを目的としました。

今回はその一端をお伝えします。


【目次】

 1.「Environmental and Waste Management Expo 2023」とは
 2.代替エネルギー率向上のカギを握る「フラフ燃料」
 3.世界の代替エネルギー率の現状
 3-1.ヨーロッパでのヒアリング
 3-2.タイでのヒアリング
 4.まとめ

 


1.「Environmental and Waste Management Expo 2023」とは

環境の持続可能性と廃棄物処理業界に焦点を当てた展示会のことで、タイ工業連盟が主催した、初開催の展示会でした。テーマは「Join the movement towards a better planet」(より良い地球を目指す運動に参加しよう)で、セメント会社、電力会社、機器メーカーなどを中心に100を超える企業が参加しました。開会式ではタイの環境に携わる大臣が登壇し、タイでの環境に対する関心の高さが窺えました。

 

↑開会式の様子

 

2.代替エネルギー率向上のカギを握る「フラフ燃料」

今回のイベントの中でも、大きなトピックの一つとなっていたのは、「フラフ燃料」と言われる、主に廃プラスチックを中心とした、紙くず、繊維くず、木くず等を破砕、選別した燃料です。

 

世界規模で、CO2の排出量の抑制が盛んになっていますが、その傾向はタイも例外ではありません。今回のイベントの中でも、タイでCO2排出量の削減を目指し、化石燃料由来の燃料の使用量が多いセメント産業で、「フラフ燃料」の使用量を増やしていく展望が語られていました。日本でもセメント業界、製紙業界、製鉄業界で使用する動きが日に日に強くなっています。

 

3.世界の代替エネルギー率の現状

化石由来の燃料から、廃プラスチックを破砕や選別した「フラフ燃料」等の化石燃料以外の燃料の使用率を示す代替率、代替エネルギー率は、現状、世界で大きな差が生じています。

 

欧州では、以前から「フラフ燃料」を積極的に使用してきた歴史があるため、欧州のセメント会社の情報を見聞きする限りでは、代替エネルギー率の平均は65〜70%程度と言われています。

 

それに対し、日本では平均20%前後であり、欧州の水準にはまだ追いついておりません。

この水準は、20〜30年前の欧州の水準であり、日本は欧州に大きく遅れを取っています。一方では、まだまだ「フラフ燃料」等の代替エネルギーの使用率を高められる余地が大いにあるとも言えるといます。

 

ちなみに、タイにおける代替エネルギー率は2022年時点で、6%という数字を今回の展示会で確認することもできました。まさに欧州の水準を追う日本と同じように、日本の水準を追っているのがタイであると言えるかもしれません。

 

3-1.ヨーロッパでのヒアリング

2022年夏には、欧州で代替エネルギー率が高いセメント工場を視察したところ、ドイツのA社では、2020年時点で77%。2030年には85%に到達することを目標としていたり、オーストリアのB社では、すでに100%を達成していたりすることもわかりました。

 

ヨーロッパ、特に内陸部に位置するオーストリアのような国々は、石炭を輸送する手段が困難なことを理由(船が使えない)に、昔から代替燃料として、「フラフ燃料」といった地場で発生した廃棄物を資源として地場で利用する。そんな活路を古くから見出していたそうです。また、炭素税という仕組みが導入されたことが、CO2排出を抑制するための投資が加速していったそうです。代替エネルギー率が95%に達していて、わずか5%しかCO2を排出していないセメント工場でも、年間数億円単位の炭素税を支払っているそうです。これらの要因が、ヨーロッパですでに高い水準に到達している理由と言えます。

 

3-2.タイでのヒアリング

今回のイベントにて、タイのセメント会社やセメント協会の方とお話をする機会があり、その内容をお伝えします。

 

先に述べた通り、タイにおける代替エネルギー率は2022年で6%でした。

その後の展望としては、2030年には22%、2050年には43%ということで、7年後に現在の日本と同水準に到達することを目指しています。

 

また、現地のセメント会社の方のお話では、タイでは、プレヒーター(仮焼炉)と呼ばれる部分から、助燃材として、50mm前後に破砕選別した「フラフ燃料」はすでに投入しているということでした。今後は、より細かく破砕(30mm以下)した「フラフ燃料」をメインバーナーに吹き込みたいというお話も伺いました。まさに、今、日本でやっていることと同じことがタイでも注目されています。

 

ただ、日本や欧州との大きな違いが1つあります。タイで投入されている材料は、「家庭ごみ(生ごみ含む)」「掘り起こしごみ(一度埋立したごみに土をかぶせていたものを、再度掘り起こしたごみ)」双方の廃棄物とも、含水率が高く、破砕選別する際には、考慮すべき条件と言えます。タイ特有の条件と向き合いながら、代替エネルギー率を高めていく必要があると感じました。

 

 ←30mmのフラフ燃料

 

4.まとめ:タイの代替エネルギー率から見えてくること

今回のイベントを通して、日本でもタイでも目指す姿は同じであり、私たちがこれまで培った技術や経験がタイをはじめとする東南アジアでもきっと活かせるという実感が湧きました。この実感は、現地を訪問するまでは、「きっと(おそらく)」といった希望的観測でしたが、今回の訪問で「確信」に変わりました。

 

これからリョーシンは、日本はもちろん、世界にもより視野を広げて、廃棄物処理に向き合っていきたいと思います。日本では、少子高齢化が進み、廃棄物も減少していくことが見込まれますが、世界に目を向けると人口は急速に増え続けています。2023年には、世界人口が80億人に到達したというニュースも目にしました。人口が増えるということは、それに伴って、廃棄物も急激に増えていきます。弊社が2001年に創業した当時から掲げるミッション、「継続可能な高度循環型社会の実現」を世界規模で果たしていくために、もっともっとやれることがある、急がなければいけないと感じた訪問でした。

 

リョーシンは、常に世界の最新動向を注視しながら、廃棄物処理について真剣に向き合われている企業の皆様にとって、有益な情報をご提供します。世界の選りすぐりの機器や技術を駆使して、御社の課題を解決します。リョーシンに相談をしてみることは、きっと課題を解決するための近道となるでしょう。

 

まさに今、廃棄物処理について、課題を抱えておられる企業様がおられるならば、ぜひお問い合わせください。