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2021.12.24

ゴミは大事な資源 ~廃プラスチックの燃料利用~  リョーシンHPコラム 第一弾

コラム

1.はじめに

 

″地球は「宇宙船地球号」″

 

私たちが暮らす地球はよく「奇跡の星」と言われます。太陽と地球は絶妙な位置関係を保ち、生命活動に不可欠な水は液体の状態を保つことができました。また地球そのものの大きさも生命誕生に欠かせない要素です。今よりも大きければ惑星の持つ引力も強くなり周囲のガスを取り込んでガスが充満した惑星になっていたでしょう。逆に小さすぎても大気を保つことができなかったとされています。そして木星や土星などの大質量惑星は地球に向かってくる隕石の軌道をずらし、また時には自ら壁となり地球を守ってくれているのです。

 

そんな「奇跡の星」地球をアメリカの思想家であるバックミンスター・フラーは宇宙を旅する宇宙船にたとえ「宇宙船地球号」とし、地球の資源の有限性と資源浪費の愚かさを説きました。いわば私たち人間は巨大な宇宙船内で暮らす乗組員というわけです。もしも同じ船内で暮らす誰かが限られた量しかない食料や物資をムダ使いしていたとしたら、あなたはきっと怒るはずです。もしも乗組員たちの何らかの行動が原因で船内の空調システムが故障し、船内が蒸し暑くなってしまったとしたら、あなたはきっとその原因を追究しシステムを正常に稼働させようとするはずです。

 

現在残念ながら「地球号」船内の環境は昔ほど快適とは言えない状況です。科学技術が進歩し生活は便利になった一方で、自然環境のバランスが崩れ異常気象が世界各地で猛威を振るっています。また大量生産・大量消費により船内の物資は減り続けゴミが多く出るようになりました。そして、乗組員の人数は今後ますます増えていく見通しです(表1)。そのため資源の消費をできる限り抑え、再利用・再生させていくことが我々乗組員に課された重要な任務になっています。

 

                         「総務省統計局『世界の統計2021』より作成」  ( https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2021al.pdf )

 

 

2.エネルギー状況

 

“日本の発電構成”

 

私たちは毎日当たり前のように船内に保管してある物資を消費して生きています。ガソリンを消費して車を走らせ、料理の際はガスを使っています。そしてスマホの充電やエレベーターでの移動には電気を消費しているわけですが、日本における発電で消費されているエネルギーについて考えてみましょう。2019年度の日本の発電構成は次のようになっています(表2)。

 

 「 資源エネルギー庁『エネルギー白書2021』より作成」        ( https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/pdf/ )

 

表のとおり日本の電気をつくるためにはLNGや石炭、石油といった多くの化石燃料が燃やされています。特に日本のように天然資源が乏しい国は他国からの輸入に頼らざるを得ないのが現状です。生活や経済活動で必要なエネルギー源を自国内で確保できている割合をエネルギー自給率といいますが、日本の場合は約11.8%とOECD加盟国35ヵ国の内2番目に悪い値です[1]。そして、化石燃料を燃やした際にはCO2といった温室効果ガスが排出され気温上昇の原因となっています。何か良い策はないのでしょうか。そのヒントは私たちが毎日出しているごみにあるようです。

 

3.ゴミは貴重な燃料

 

“リサイクルは大きく3つに分けられる”

 

「ごみ」を広辞苑で引くと、「物の役に立たず、ない方がよいもの。」と記されています。確かに「ごみ」と聞けば汚いものや壊れたものが頭に浮かびますよね。逆に言えば、「役に立ち、必要とされる物」はごみではないとも解釈できます。要はごみを利用できる物にできればそれはごみではなくなるというわけです。それが「リサイクル」です。ただ一口にリサイクルといっても大きく次の3種類に分けることができます。

 

①マテリアルリサイクル

 

マテリアルとは材料を意味し、ごみとして捨てられた物を材料として再利用することをいいます。例えば、一部のペットボトルは粉砕・加工ののち繊維化され衣類となっています。

 

②ケミカルリサイクル

 

ケミカルリサイクルはごみを化学的に分解して化学原料として再利用することを指します。例えば、廃プラスチックを高温で熱分解させ合成ガスや分解油に精製しています。

 

③サーマルリサイクル

 

サーマルリサイクルはごみを単に燃やし埋立てを行うのではなく、燃やした際の熱エネルギーを回収します。発電やセメント工場などで使用する窯の燃料などとして有効活用されています。そこで利用されるのは「フラフ燃料」とよばれる固形燃料で、これは主に紙くずや繊維くず、廃プラスチックから成ります。石油を原料とするプラスチックは高い熱量(カロリー)があるため、フラフ燃料は化石燃料の代替燃料として利用できるわけです。

 

フラフ燃料と同じく廃プラスチックから作られる固形燃料でRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)というものがあります。圧縮成型され含水率が低く、なおかつ古紙と廃プラスチックの混合割合を調整できるという特長があり、RPFも化石燃料の代替燃料として使用されています[2]。さらに、フラフ燃料やRPFは石炭と比べ、燃焼時に排出されるCO2量が少ないためより環境に優しい燃料といえます[3]

 

この他にも近年は生ごみや家畜の糞尿といった廃棄物系バイオマスから精製されるメタンガスや使用済み油を原料にしたBDF(Bio Diesel Fuel)が代替燃料として注目されています。国内にあるごみの燃料化施設数は2008年以降大きく増えてはいないものの、近年では処理能力(t/日)の向上が見られています(表3)。

 

[1] 2018年の数値。資源エネルギー庁「日本のエネルギー2020 エネルギーの今を知る10の質問」より。

     ( https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/energy_in_japan2020.pdf  )

[2] JIS規格では成分によってA~Cの等級に区分されています。

[3] 石炭と比べRPFはCO2排出量が約33%削減(一般社団法人日本RPF工業会HP:https://www.jrpf.gr.jp/rpf-1/rpf-7より)できます。フラフについては排出係数を細かく算出することは難しいですが、製造で使用するエネルギーが少なく、カロリーでみると石炭の6,139kcal/kgと比べ10,000kcal/kgと高く、化石燃料の使用を削減しCO2の排出をその分抑えられます。

 

「環境省『一般廃棄物処理実態調査結果(平成10年度~令和元年度)』より作成」      (  https://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/stats.html )

 

4.より良い世界をめざして

 

“脱炭素社会を目指してリョーシンができること”

 

地球資源を消費せずに私たちが生活していくとすれば進行している地球環境の悪化に急ブレーキをかけられるかもしれません。ですが、それはまるで車もスマホも電気もない原始時代に戻るようなもので非現実的な話になってしまいます。そうするよりも、今ある資源の有限性を認識し浪費を抑え少しずつ地球環境を整えていく方が賢明です。国は2050年までにカーボンニュートラル(脱炭素社会)を目指しています。つまり、「CO2排出量」から「森林などの自然作用が吸収する量」を引いた値をゼロにしようという考えです。

仮に私たちが排出するCO2量をAとし、自然作用による吸収量をBとすれば「A-B=0」としたいわけです。この実現にはAを小さくすること(排出抑制)、そしてBを大きくすること(自然環境の保護と強化)が一番の近道です。自然作用による吸収だけではなく、現在ではCO2を地中に閉じ込める技術や人工的に光合成を行う技術について研究が進んでいます。

 

近年「SDGs(持続可能な開発目標)」や「循環型社会」といった言葉がテレビや新聞などでよく見られるようになりました。環境への意識がそれだけ高まっているということだと思います。これを単なる流行りやブームにしてしまっては根本的な環境問題の解決にはなりません。冒頭でも述べたように、有限な資源の消費抑制・再利用や環境保護は同じ宇宙船で生活していく乗組員たちが達成させていかなければならない重要な任務です。

 

リョーシンには「奇跡の星」地球をより美しくより快適にできるだけの知恵、そして破砕機や選別機といった優れた製品、その製品を支える技術があります。これらを世界中に広めていくことが私たちの夢であり使命であると考えています。