フラフ燃料やRPFなど、廃プラスチックの燃料化プラントが変わらず要望として多いのですが、最近ではその中でも、選別装置を必要としない簡易的なプラントの需要が増えてきました。
燃料の販売先の異物除去率に対する緩和という事ではなく、プラントへ投入する材料を吟味して、そもそも異物含有率の低い材料を原料にすることで、選別の工程を無くし設備投資額を抑える事が目的の要望です。
今回は、どこまで簡素化できるのか、処理プラントの一例をご紹介いたします。
事業系廃棄物処理プラント
異物の混入が少ない廃棄物として、まず第一に挙げられるのが事業系廃棄物です。
その中でも単一素材のもの、そして回収まで他のものと一度も混ざらないものは極端に異物の混入率が低い材料となります。
うまくこの様な材料を獲得されている中間処理業者様や、自社の工場でプラスチック製品を生産しておられるような動脈産業の企業様が、自社の廃棄物をフラフ燃料にして再度販売するという事を目的に、簡易的なプラントの導入を検討されるケースが増えてきています。
簡素化プラントとは
異物の混入率の低い材料を使用する場合どこまでプラントを簡素化できるのか、それは極端に言いますと燃料の販売先で圧縮六面梱包の指定が無い場合、破砕機1台でフラフ燃料を作成して販売することが出来ます。
輸送効率など考えますと指定されていなくとも、圧縮はした方が良いという事はありますが、ある業者様では工場が狭いという理由から、破砕機1台でフラフ燃料を作成して、販売をされているところも存在します。
それでは次項より、選定にはどの様なポイントがあるのか、どの様なケースであればプラントを構成する装置を省略できるのか、ひも解いて説明させて頂きます。
装置を選定する時のポイント
全ての装置の選定に言える事ですが、選定には絶対的なポイントがあります。
まずは前提として、国内外問わずさまざまなメーカーが作る装置の情報を知っている事です。
装置とは他の装置と比較検討する事で、はじめて本当の価値が決定します。
例えば、それぞれ利益が8円、10円、12円出せる3つの装置を真剣に検討している中で、知らないところで30円の利益が出せる装置が存在しているということが、この業界では多くの事例で見かけます。
それは単純に、世界規模で様々なメーカーの装置の情報を知るには、膨大な時間と費用が掛かるため致し方ない事です。
次に、その優位性のある装置の中から、リスクマネジメントを第一優先に考え、次に利益率の高い物を選ぶ。
これにつきます、この選定さえ間違えなければ、以降の工場経営において今できる最大限の投資効果となり、高い利益率を発揮し続けることが出来るほどに重要な事です。
ご安心頂きたいのは、一番のハードルである国内外の装置の情報に関しましては、日頃から生業として装置の比較検討をしている弊社に御相談頂ければ惜しみなく協力させて頂きます。
一軸破砕機
フラフ燃料製造プラントのメイン装置は破砕機で、必ず必要な装置となります。
その中でも、処理能力に長け、フラフ燃料の販売価格とランニングコストがつり合い、1台で破砕後のサイズ調整が出来る一軸破砕機が最も適しています。
一軸破砕機を選定する際のポイント
・金属の塊などハードな異物の混入率がゼロにできない場合、回転数の高い一軸破砕機は1回の混入で故障するリスクがありますので、クラッチ機構などで異物が混入しても装置を保護してくれる、故障しない機構を備えた装置
・ヒューマンエラーによる事故も起こさせないよう、安全設計されている装置
・破砕室にゲートを備え、メンテナンス時間の大幅削減と容易な作業性を備えた装置
・他社と比較し、より大きな処理能力を設計されている装置
・他社と比較し、電気代を1/3カットできる、省エネ&CO2削減設計された装置
この5つのポイントは、一般的な破砕機メーカーでは実現できていない技術ですが、現時点では世界でもトップのメーカーの数社が実現しています。
リスクマネジメントと利益率に直結するポイントですので、是非利用しましょう。
風力選別機
一度破砕された後に、フラフ燃料の主原料である軟質系プラスチックに混じった、硬質プラ、木くず、がれき、ガラス、ゴム、金属などの重い物を取り除くための機械です。
投入する材料を吟味して上記のものが入らない場合、省略しても良い装置となります。
風力選別機を選定する際のポイント
・フラフは嵩比重が0.05前後と非常に軽くなる為、大量の体積が処理ができる装置が必要です
・大量処理しながらも選別精度の落ちない、乱気流が発生しない装置
・粉塵が外部に漏れ出ない装置
・簡単構造でメンテナンスがやりやすい装置
・動力源が小さく抑えられている装置
この5つのポイントも、現時点では世界トップメーカーが実現しています。
リスクマネジメントと利益率に直結するポイントですので、是非利用しましょう。
圧縮梱包機
生産したフラフ燃料を概ね1㎥キューブに圧縮し、ビニールで梱包するための機械です。
製品の販売先が近く運送の効率がそもそも良い場合、買い取り先の納品条件で圧縮梱包の指定が無い場合に省略しても良い装置となります。
圧縮梱包機を選定する際のポイント
・前段の破砕機の処理能力より大きな処理能力を持っている装置(もしくは2台検討)
・低反発物に対応し、高圧縮と低膨張を実現している装置
・その後のハンドリングに耐えるよう、成型ベールの形がきれいで崩れにくい装置
・梱包用ビニールの使用量が少ない装置
・動力源が小さく抑えられている装置
破砕機と比較し、圧縮梱包機は処理能力を大きく取ることが難しい構造をしています。
圧縮梱包機の能力が不足してボトルネックとなり、破砕機側で投入制限をしている工場をよく見かけます。
その場合圧縮梱包機の最大能力が、そのプラントの最大能力となってしまいますので、処理能力には特に気を付けて選定しましょう。
プラント設計の際によくある質問
お客様からは、「自社にあった形のプラントを提案してもらえるのか」といった質問をよくいただきます。
お客様が扱う材料は多種多様であり、材料に合わせて必要な機械も異なります。
私達は、お客様が求めているものを実現するため、投入する材料の調査から始め、そのうえで世界の選りすぐりの機械を組み合わせて、必要最小限のプラント構築をご提案いたします。
まとめ
今回はプラントの簡素化という点についてご紹介いたしました。
上記に記載しました、工場経営において今できる最大限の投資効果を得る為のポイントは、もちろん全て弊社が提案できる内容になっています。
ご紹介したものは一例です、ご検討される際は是非、日頃から生業として国内外の装置を広く情報収集しています弊社に御相談頂ければ、直接お話させていただく事で御社のニーズに合わせたオリジナルの提案をさせて頂きます。
少しでも気になった方がおられましたら、ぜひお声掛け頂けますと幸いです。