米軍基地の生活ゴミの再資源化を目的に、最新型二軸破砕機と選別設備を導入。
NO.10
「最新型二軸破砕機・選別設備」
沖縄県沖縄市 K社
今まで焼却処理されていた米軍基地の回収ゴミから、缶・PET・紙くず等の再資源物を効率良く選別することを目的に本選別設備を導入されたK社 社長にお話をお聞きしました。
沖縄市を拠点とするK社様は、焼却処理を中心に最終処分場も保有される沖縄県最大手の産業廃棄物処理業者です。グループ会社保有も含め大型焼却炉3基、日量200t処理溶融炉1基、RPF設備、破砕設備等、数多くの中間処理設備と最終処分場を運営されています。
多彩な処理機能を持った最新型二軸破砕機を導入
今まで使用していた破砕機の代替え機として、「リョーシン二軸破砕M140HD」を導入いただきました。この破砕機は、油圧駆動・二軸独立駆動で500馬力、2ポンプという最新型の強力破砕機です。
特徴は破砕軸一軸ごとに回転数を変えられることです。破砕が容易な物の場合は高速回転で破砕をすることで処理量を増やします。それに対し破砕困難物の場合、片軸は正転で、もう一方の軸は負荷率をコントロールしながら逆転と正転両方を制御運転することで破砕を行います。これにより、今まで破砕できなかったゴルフ場のネット、船舶用の極太ロープ、漁網などを容易に破砕できるようになりました。
最大破砕能力は20t/時間以上で、より細かく破砕できるようにフック数は5:5フック仕様にしています。
この破砕機には丸い物や噛み込みにくい物を破砕する為の押し込み装置(ラム機能)も搭載されています。また破砕後の形状が長尺になりがちなナイロン等の材料に対しても、正転運転と逆転運転を交互に行うオートチョップ機能により、長尺形状での破砕がされにくくなりました。
この破砕機の導入により溶融炉の稼働に合わせた破砕処理が可能となり、溶融炉の安定稼働が出来ると期待されています。
漁網
極太網も破砕可能
生ゴミが混入した回収物を選別し資源化
米軍からの回収ゴミは日本の家庭ゴミとは違い、ビン・缶・ペットボトル・紙くず・段ボール等に加え、生ゴミが混入する為、資源回収が非常に難しくそのまま焼却処理されていました。
今回導入された選別設備では、まず回収されたゴミ袋をピックアップコンベヤ上で開封・解体し、空になったゴミ袋・フイルム系のプラスチック等はフイルム回収装置(フイルムバック)で吸引回収され、エアー搬送装置で1カ所に集められていきます。
ゴミ袋から取り出されたゴミは、搬送コンベヤで2階フロアまで搬送されます。新開発のリョーシンディスクスクリーンにより、50mm以下の小さなゴミや残飯等を高精度に取り除いていきます。
さらに小さなゴミ等が取り除かれて選別しやすくなったゴミは、次の処理工程に進む為に手選別コンベヤ上でそれぞれ資源物、焼却物、RPF向け回収品等へと分けられます。
K社様ではそのような米軍ゴミを1日およそ100㎥程回収しており、今回導入された選別設備により、より多くの資源回収とリサイクルが行えるようになると期待されています。