資源再生施設オープンで、廃プラなど多様な固形物へ事業拡大。
NO.01
資源再生施設「エコボックス美浜」
千葉市美浜区新港 C社
産業廃棄物・一般廃棄物の収集運搬・中間処理を手掛けるC社様が廃プラスチックや木くず、紙くず、繊維くずなどの産業廃棄物を対象にリサイクル事業を拡大することになりました。事業拡大までの経緯と建設にあたっての配慮した点についてお聞きいたしました。
より適切にリサイクルするために
C社様は、昭和60年2月に国内業界最大手のグループ会社として発足しました。
当時は千葉県美浜区に東洋一のコンベンション施設 幕張メッセが平成元年10月にオープンする予定になっており、それを見越して該当地区にはまだ希な事業系一般廃棄物リサイクル工場としての発足でした。
開業以来28年間ペットボトルリサイクル、発泡スチロールリサイクル、飲料容器(ビン、缶)リサイクル、廃蛍光灯・乾電池の回収等取扱量が着実に増大してきました。
近年は幕張新都心地区、工業団地、大型ショッピングセンターなど市街化が進み、廃プラスチック類、金属くず等リサイクル可能な産業廃棄物の取扱も多くなってきました。
今後ますます増大する産業廃棄物をより適切にリサイクルするため、エコボックス美浜 資源再生施設をオープンすることになりました。
あらゆる材料に対応可能な二軸破砕機
破砕機は「SSI-Ryohshin二軸破砕機M85H」を採用しました。
破砕困難物などあらゆる材料に対応可能なシュレッダーを求めて、名高いメーカー数社からの提案を受けましたが、原料の押し込み装置を装備する二軸破砕機が決め手でした。
また、不注意により鉄片などの混入があっても、即座にシャフト、軸受、減速機などの重大故障にはつながりにくい幾重もの保護装置がついていることも魅力でした。廃プラスチック類の硬質系はもちろんのこと、フィルム系も、廃パレットなども効率よく破砕しています。
圧縮装置は大型の昭和製圧縮梱包機を採用しました。この工場で破砕、選別、圧縮された廃プラスチック類、木屑、繊維くずは効率よく関連会社へ搬送され、マテリアルリサイクル、固形化燃料(RPF)、フラフ燃料などのサーマルリサイクルをしています。
地域と一体となる工場
当初は既存工場建屋を利用しようとして、改修計画をまとめ、都市計画審議会の手続きを進めて追いましたが、まさにその矢先、3.11東日本大震災が発生しました。
液状化の影響を受け既存工場建屋の被害が大きく、新たに工場を建てなければならなくなりました。新工場の設計は耐震、液状化の対策は無論のこと、近年増加している豪雨に伴う浸水にも万全の対策を講じました。
さらに周辺、作業に対する主な環境対策として、騒音、粉じんへの対策が上げられます。
騒音に対しては、工場建屋内で大型破砕機、圧縮機、重機などがフル稼働しても敷地境界線上で騒音規制値の65dB(A)を超えないよう工場建屋の外壁全体に遮音性が高いALC板(軽量気泡コンクリートパネル)を設置しています。
また破砕、振動篩等の作業中に発生する浮遊粉じんは、必要箇所にミスト噴霧をして、拡散防止図ることで、地域環境を考慮した工場を実現しました。
圧縮機
二軸破砕機投入部分
エコボックス美浜における廃プラは重点品目のひとつ。事前に再生利用向けに有価売却できるものの分別を徹底して売却益を確保するとともに、RPF原料向け、セメント工場向けなどに細かく分けて処理を行いうことで、大幅なコストを削減を期待しています。