脱炭素社会へ
カーボンニュートラルの実現に向けて、圧倒的処理量を誇る破砕機を導入
NO.28
一軸破砕機「コメット2200PK」
東京都港区 S 社
S社様(東京都港区)は、1907(明治40)年の創業以来、日本の社会インフラを支え続けているセメントメーカーです。セメント事業を主軸とし、その基幹事業から派生した鉱産品事業、建材事業に加え、独自のオプトエレクトロニクスやナノテクノロジーを光通信、半導体分野などに提供する光電子事業、新材料事業を擁し、成長市場にも事業展開されています。さらに、セメント製造では産業廃棄物・副産物の積極的な受け入れ・再資源化など、環境保全・循環型社会の形成にも貢献。様々な分野で人々の生活を支えられています。
今回は同社の栃木工場に、弊社がご提案したリンドナー社の一軸破砕機「コメット2200PK」をご採用いただきました。
ご依頼の背景
2020年10月、日本政府は2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。脱炭素への取組み強化の波が高まり始めた翌12月、S社様は、「2050年“カーボンニュートラル”ビジョン『SO-CN2050』」を発表。あらゆる方策を通じて、同社グループ全体のCO₂排出のカーボンニュートラル化に挑戦されています。
その取り組みのひとつが、セメント製造工程で使用していた熱源を石炭や石油から、フラフなどの廃棄物由来に変更することでCO2の削減を目指すとともに、自社製造することで資源の有効活用を図るというもの。目下の目標として「2030年に化石エネルギー代替燃料率の全社平均を50%以上へ(同社グループ5工場8キルンのうち4キルンで化石エネルギー代替率80%超)」の到達を掲げられています。
このプロジェクトの一つとして、栃木工場(栃木県)の化石エネルギー代替率の向上に向けて破砕機を導入するため、弊社にお声がけいただきました。今後、赤穂工場(兵庫県)と高知工場(高知県)の化石エネルギー代替率を上げるプロジェクトもスタートされる予定です。
S社様が興味を持たれていたのは、熱エネルギー代替率向上のためのフラフを製造する破砕機として豊富な実績を持つリンドナー社の破砕機でした。弊社が国内でフラフ製造プラントを多数導入しているということを耳にされたのが、今回のご依頼のきっかけです。
リョーシンからのご提案
リンドナー社は世界100か国以上に対し5,000台以上の破砕機を納入。そのうちセメント会社向けに500台以上の販売実績があり、豊富なノウハウを有しています。弊社は、S社様のご要望に応える優れた処理能力や強靭性、高い安全性などを兼ね備えた一軸破砕機「コメット2200PK」をご提案しました。
導入前には、弊社がご提案した破砕機を導入されているヨーロッパのセメント会社への視察を行うため、S社様とともに現地へ向かいました。その会社の3工場では、化石エネルギー代替率が約80%以上と世界でもトップレベルに達しています。廃棄物の前処理設備の一つとして実際に活躍し、驚異的な数字を打ち出している状況を直にご確認いただきました。稼働状況の確認だけでなく、実際に使用されている方から稼働状況やオペレーションに関してお話を聞ける機会も設けました。
一軸破砕機 コメット2200PK
一軸破砕機「コメット2200PK」の3つの魅力
◇圧倒的処理量
リンドナー社製一軸破砕機のラインナップは豊富です。数ある中からS社様が選ばれたのは、20mmのフラフを1台で数トン/h製造可能な破砕機でした。中間の機種でも大量の処理ができるリンドナー社の破砕機は破砕効率が非常に高く、細かいサイズで大量に処理をしたいなど条件が厳しい場合でも、破砕機1台で対応できることが大きな魅力です。また、ベールや難破砕系の粗破砕物を直接投入しても壊れる心配のない、十分なトルクも兼ね備えています。
◇高い安全性&メンテナンス性
セメント工場は24時間稼働という性質上、極力少人数でかつ負担の少ない装置が理想です。リンドナー社の破砕機は破砕室に入ることなく刃の交換、異物除去を行なえるため、作業者に負担が掛からずかつ安全に作業をすることが出来ます。
◇固定刃の調整で、高い処理量を維持
従来の破砕機は、日常的に使い続けると処理量が徐々に落ちていきますが、コメット2200PKであれば簡単に固定刃の位置を調整できます。固定刃と回転刃のギャップを調整することで、刃の摩耗による処理量の低下を最低限に抑えられる点も魅力です。
破砕されたフラフ燃料
導入後のお客様の声
「我々が求める機種を導入できたのは、リョーシンが世界最先端の機械の情報やトレンドを常にアップデートされているからだと思います。弊社では引き続き、フラフをはじめ石炭代替の大幅な受け入れ拡大を目指していますが、リョーシンにはこれからも廃棄物にまつわる情報交換など様々な面で、弊社2050年“カーボンニュートラル”ビジョン『SO-CN2050』の達成に向けてご協力いただければと思っています」
微力ながらもお役に立てましたこと、弊社一同大変嬉しく思っております。